印刷の工程における紙の特性の問題

印刷にの工程において紙の特性の重要性について以下では簡単にみてみます。ここでいう紙は、植物繊維その他の繊維を絡み合わせ膠着させて製造したもの、簡単に定義でき、日本では具体的にみると洋紙、和紙、板紙、合成紙などがあります。また用途により印刷用、筆記用、図画用紙、包装用紙などにさらに分類されます。

印刷用紙・筆記用視・図画用紙には、上質紙などの非塗工用紙や、アート紙、コート紙、軽量コート紙などの塗工紙が含まれます。板紙は、(1)厚さ0.3ミリ以上、(2)1平方メートルあたり100グラム以上、のいずれかを満たす紙です。板紙は比較的硬く腰が強く、具体的にはダンボール原紙、黄板紙、白板紙、チップボールなどがあります。紙および板紙の重量表示方法として坪量があり、一定面積当たりの重量で表示し、単位はg/uが一般的です。

紙の特性には色、平滑性,吸油度、蛍光物質などがあり、紙によってインキの発色は影響を受けます。インキは紙の上に刷り重ねられ、文字や画像として人間の眼で知覚可能になります。一般にインキは薄く透明であり下地(つまり、すなわち紙)の影響を受けやすいです。

紙の平滑性が高いとき、光は表面で散乱しないので印刷濃度は高くなり、網点の形状も崩れにくくなります。紙がインキを吸収する度合いは吸油度で表現され、吸油度は光沢に関係します。

アート紙はコート紙の一種です。アート紙にはマットアート紙(艶消しタイプ)特殊アート紙(高白色タイプ、ハイグロスタイプ)などがあります。コート紙は、アート紙よりも塗工量が少ないコーテッドペーパー(塗工紙)です。この名称は日本でのみ通用するものです。コーテッドペーパーはは塗工量により区別され、塗工量が片面10g/u前後をコート紙といい、20g/u前後をアート紙、5g/u前後を軽量コート紙と分類されます。