印刷適性とは
印刷物は紙媒体での情報伝達手段です。印刷物はインターネットやパソコンの流通にも関わらず、一定の役割を果たすと思います。紙媒体の主役は印刷用紙とインキです。近年DTP利用者は増加し、DTPによる印刷物の制作はほぼ常識と化しましたが、組版や製版、製本の知識に加え、造本設計上紙やインキの基礎知識も知る必要があると思います。
印刷周辺の関連知識について説明するために現在最もポピュラーな印刷方式になっているオフセット印刷を取り上げます。
印刷は紙(正確には被印刷物)の上にインキを転写することを指します。その際、インキ、紙、ローラ、ブランケットなど(これらを印刷材料と呼びます)の性質が、よい印刷物を作るのに適しているか否かが鍵となります。これは「印刷材料適性」と呼ばれています
印刷適性を評価する物指しとしてはインキの転移性、インキ濃度、濃度のバラツキなどがあります。印刷適性とは、良い印刷の仕上がりに欠くことができない紙およびインキ、ローラなどの印刷材料に求められる性質をいいます。紙に求められる性質には紙の白さ、インキの受理性、適度の吸油性、不透明性などの他に、枚葉印刷のために必要な紙の腰といわれる最低硬度や、輪転印刷の巻取り紙の紙力、表面強度などが求められます。
インキに求められる性質としては、印刷機上では乾かず、印刷転移後に速く乾燥するインキの安定性、粒度、粘度、透明性などがあります。